「復刻版・天下統一」発売記念〜戦国浪漫不定期連載〜
『戦国バカ日記』



第一夜『意を決し復刻版を手にするの巻』

 田植えの季節になると無性に天下を統一したくなる。
 これまで人生の大部分を「天下統一IIパワーアップセット」のプレイに捧げてきたオレとしては当然至極の感情ではあるが、『天下統一IIPUS専用マシン』であったはずのPC-486Pが、果たして天命を全うしてしまい、虚しく日々を過ごすばかり。
 そんな抜け殻同然のオレには「復刻版・天下統一」こそが相応しいんじゃないか?
 完全無欠の歴史音痴だったオレを、戦国という魅力溢れる時代に導いてくれたのは、爺ちゃんの昔話ではなく、ましてや面白くもない日本史の授業などであるはずもなく、何を隠そう元祖「天下統一」なのだ。それもX68000版「天下統一」。思い起こせばはや10年前。システムソフトに入社したてのオレがX68000ゲームフェアの出展者となることを命じられ、来場者への説明のため仕様がなく、まさしく業務命令なので、不本意ながら、渋々プレイを続けたのが栄光の戦国バカへの第一歩だ。
 そうこうする間に万事凝り性のオレが日経新聞の古紙を発掘し出すのも、もはや時間の問題だったといえよう。
 そうと決まれば話しは単純。復刻版で天下を統一する以外に我が道なし!
 さっそくマシンをブート!アイコンクリック!オープニングはスキップ!さぁレッツゴー!と行きたいところだが、オイオイオイオイちょっと待て、自称戦国バカの前田さ〜ん、目を覚ましてくださぁ〜い!
 !!そうだった。我ながら超ベテランの域に達していると自負している「IIPUS」とは違い、「元祖」はどちらかというと初心者。かなり以前にPC-9801版で天下人となった経験はあるものの、そのときの大名家が島津だったので、同僚から「チキン野郎」の名前を欲しいままにした苦い経験がバッチリ尾を引いているんだな、これが。うかつだ、うかつすぎる。それに天下統一フリークとしては、軍配を翳すごとき華麗なマウスさばきと、ギャラリーを意識した魅せるプレイも心がけねばなるまい。よっていきおい大名家選択も慎重にならざるを得ない。
 やはり歴史小説を信長ものから入った影響は大きく、織田家とその家臣軍団にはかなりの好感を持ってはいるが、いまさら「信長の野望(R)」を果たしたところで芸がないと思われる。かといって武田や上杉、毛利、いわんや伊達家で四海一統したところで、やはり艶やかさに欠けるかの印象を自らが持ってしまう。
………
 となるとここは「今川義元」御大将に出陣願うしかあるまい。海道一の弓取りとの名声も高かった義元。古式ゆかしき京風の作法を重んじた義元。田楽狭間で討ち死にした義元に、今一度上洛と天下への大号令の夢を果たすことこそが、バカの粋というものではないか?
 よっしゃ!腹は固まった。次回からはタイトルも新たに『今川義元のお歯黒でゴー!』と変更して怒涛の上洛をいよいよ開始する。

 ところで義元の嫡男、氏真は蹴鞠を好んだそうだが、これが現在の静岡県サッカー王国に脈々と受け継がれているのか?どなたか真実を教えて欲しいものだ。

以後、次回へと続く…


目次 用語解説 第二夜