ティルナノーグPS2、ティルナノーグPSP【エクストラ】

ケルト神話のススメ

第2回「アイルランドを訪れた神々」

 前回はゲーム中の登場キャラ「ダーナ・オシー」について紹介しました。
 その中で、ダーナ族はアイルランドに上陸した5番目の一族として紹介いたしましたが、他の1〜4番目に上陸した一族はどうなったのか? という疑問もあることでしょう。
 第2回はアイルランドに上陸した神の一族について紹介したいと思います。

はじまりの一族

 最初に西に浮かぶ島(アイルランド)にたどり着いたのは、『ヴァン族』と呼ばれる一族でした。
 彼ら一族は東方で起きた大災害から、3隻の船を使って逃げ出し新たな土地を探す旅にでました。
 神像を海に浮かべ、その導き従い船の進路をとっていましたが、その旅は長く厳しいもので、3隻の内2隻は途中で沈んでしまいました。
 さらに長い月日の後、残った1隻がようやくたどり着いたのが、後にアイルランドと呼ばれるようになる島でした。
 船に乗っていた女性50人、男性30人は、ここなら再び一族を復興できると信じていました。
 しかし、島にたどり着いて安息を得られたのもつかの間、40日後この島でも大洪水が発生し、ヴァン一族はフィンタンという男性を除き死んでしまいました。

 フィンタンは波に呑まれ、海の上を数百年もの間眠ったように漂う中、西の方から船が近づいてくるのを目にした後、死んでしまいました。
 結局ヴァン一族はフィンタンの死をもって全滅してしまいましたが、フィンタンはその後様々な動物に転生し、再び人間に転生して多くの人々に自らが見た歴史を語り継いだと言われています。

文明を築いた一族

 フィンタンが死の直前に見た船に乗っていたのが、2番目に上陸を果たしたパルホーロン族でした。彼らも東方より大災害から逃げ延びた一族で、当初は1000人の男女を率いてきたのですが、ヴァン族と同様に最終的にたどり着いたのは、24組の夫婦でした。
 彼らは不思議な力を持っており、上陸当時は3つの湖と9つの河に1つの平原しかなかった大地を広げました。
 そして様々な技術を開発し、家を建て子を生し、法を制定し、初めてこの大地に文明をもたらしました。

 パルホーロン族が安住の地を手に入れて数百年の後、一族に危機が訪れました。
 北の海岸から、フォモールと呼ばれる巨人の一族が侵攻して来ました。
 パルホーロン族は『イーハ平原の戦い』と呼ばれる戦い、でこの蛮族の侵攻をなんとか撃退することに成功しました。
 しかしその翌日、パルホーロン族に悲劇が訪れました。
 悪性の伝染病が一族に蔓延し、一週間でパルホーロン族は族長の甥であるトゥアンを残して滅んでしまいました。
 そのトゥアンも野生動物から身を護るために、その後の人生を洞窟で過ごして死んでいきます。
 そして彼もフィンタン同様、転生を繰り返しその物語を人々に伝えたと言われています。

ダーナ・オシーの祖となる一族

 3番目にやってきたのは、パルホーロン族最後の生き残り、トゥアンの従兄弟ネヴェズが率いるネヴェズ族でした。
 ネヴェズ族も一族を率いて安住の地を目指したものの、厳しい航海の末、1隻の船と男女各4人の8人で上陸を果たしました。
 彼らもパルホーロン族同様、大地を広げてこの地に定住し、文明を築き上げました。そして、初めて王宮を作りましたが、王宮の堀を作ることになった際、どこからともなく4人の巨人が現れると、巨人たちは1日で堀を完成させてしまいました。
 この4人の力を恐れたネヴェズ王は、彼らが敵に回ることを危惧して、この4人を殺してしまいました。

 ところが4人はフォモール族の尖兵であり、この出来事によってネヴェズ族とフォモール族の戦いが始まってしまいました。
 4度の大きな戦いの中、ネヴェズ族はフォモール族に勝利しましたが、パルホーロン族同様に疫病が蔓延してネヴェズ族は多くの仲間を失い衰退し、フォモールに隷属を強いられました。

 長い奴隷生活は屈辱の日々の繰り返して、数年後ネヴェズ族は反乱を起こし、フォモール族の王コナンを討ち取ったものの、もう1人の王モルクによって30人を残して壊滅させられました。

 こうして残された30人は、10人ずつ3組に分かれてこの地を後にして落ち延びていきました。
 その中の1組は、イギリスに渡って古代ブリトン人の祖先になったと言われており、再び島に戻ることはありませんでした。
 そして残る2組はそれぞれ南と北に渡り、フィル・ヴォルグ族、ダーナ族の祖先となり、彼らの子孫は再び島への上陸を果たすことになります。

巨人との共存を選んだ一族

 4番目にやってきたのは、フィル・ヴォルグ族という、フィル・ヴォルグ、フィル・ドゥナン、ガリョーンという3部族で構成された一族でした。
 彼らはネヴェズ族の子孫にあたり、島を5つの区域に分け、それぞれの部族が治めることになりました。
 彼らはこれまで上陸した部族を襲ったフォモールに対し、婚姻を結びフォモールと戦わず共存の道を選びました。
 こうしてフィル・ヴォルグ族はダーナ族が訪れるまでの間、平和な時を過ごしていましたが、ダーナ族の上陸を知ると島の覇権を賭けて、『(第1次)モイトゥラの戦い』と呼ばれる争いが起きました。
 戦いは6日間行われ、ダーナ族が優位に立つ中で6日目に講和がなされて、フィル・ヴォルグ族は追放されることになりました。

その後の神の一族

 フィル・ヴォルグ族を倒したダーナ族の栄華は、ミレー族が訪れるまで続きます。
 その後、ミレー族が現れ戦いの果てにダーナ族は破れ、エリンと初めて名づけられた島はミレー族が支配することになりました。
 第1回でのお話の通り、ダーナ族は妖精に姿を変えて地上からいなくなったと伝えられていますが、ダーナ族の中にはティル・ナ・ノーグに移らず、その後も地上に姿を現す神が存在しました。

 残った神の名は「ルー」。様々な魔術や技術を習得し、誰よりも強く光の化身とも呼ばれた全知全能の神でした。
 彼は、ダーナ族が地上から消えた後の時代の伝説にもその姿を現します。
 神々の去った後に登場する英雄クーフーリンはルーの息子であり、半神半人のためでしょうか少年時代からの逸話がケルト神話の伝説として数多く伝えられています。
 そして、ルーは多くの英雄をティル・ナ・ノーグに導き、戦いで傷ついた彼らを癒したと言われています。
 数多くのルーの伝説が残る中で、エリン(アイルランド)の人々全てには、ルーの血が流れているとも伝えられ、多くの神々が忘れ去れる中にも、長く語り継がれる神も存在していたのです。

 「ティル・ナ・ノーグ〜悠久の仁〜」にはルー本人は登場しませんが、彼が使用していた武器『ルーフの長槍』が登場します。
 その力は攻撃時に炎を発生させ敵を焼き尽くす、ティル・ナ・ノーグの世界では唯一無二の強力な武器です。
 もちろんルーフの長槍をそう簡単に手に入れることはできませんが、この武器を手に入れた時英雄妖精は誰も負けることの無い力を得られるはずです。

 ケルト神話のススメ第2回は、「ティル・ナ・ノーグ」の主要種族、ダーナが地上にいた頃より以前の一族についてお送りしました。

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