ティルナノーグPS2、ティルナノーグPSP【エクストラ】

ケルト神話のススメ

第1回「ケルト神話の世界」

 『ティル・ナ・ノーグ〜悠久の仁〜』はケルト神話を中心とした北欧神話の妖精や魔物が登場する物語です。
 というのは、『ティル・ナ・ノーグ』を説明する上でよく使われる言葉です。

 『ケルト神話』とは? と思う人もたくさんいるかと思われます。
 そこで、このコーナーでは『ケルト神話』の話を解説していきたいと思います。
 第1回は『ケルト神話』についてと、本作に登場する『ダーナ・オ・シー』についての解説をわかりやすくお伝えします。

ケルト神話とは?

 そもそも『ケルト神話』とは紀元前の時代より中央アジアの草原からヨーロッパに渡来したケルト人によって語られた創世の物語です。
 しかし、ケルト人は文字という文化を持たず、そうした物語はドルイドと呼ばれる神官や、吟遊詩人によって口伝・伝承されてきました。
 それから長き時を経て1000年ほど前に、キリスト教布教のための手段の一つとして、口伝・伝承された物語をまとめたものが、現在私たちが知るケルト神話となっています。
 そのため書物として残っていないものが多くあるとされ、そのミステリアスな部分に惹かれる人も多いのではないでしょうか。

 『ケルト神話』といってもその内容は様々で、大きくは成立した地域、言語によって『アイルランド系列』『ウェールズ系列』に分けられます。
 さらに2つの系統も時代毎に分類され、アイルランド系列はアイルランドを訪れる神々の部族の物語、英雄クーフーリンを主とした物語など、ウェールズ系列では『マビノギの四枝』と呼ばれる4人の人物の物語や、円卓の騎士や聖杯伝説で知られるアーサー王の物語が存在します。
 いずれの物語も近年の映画やゲーム、書籍といった媒体で知る機会が増えており、馴染み深い話かもしれません。

ダーナ神族とは?

 古の時代――後にアイルランドと呼ばれる島では、次々と神々の部族がやって来ては、大地を我がものにせんと争いを繰り広げていました。
 ダーナ神族は、女神ダーナを中心とし、嵐の雲に乗って5番目に島に上陸した金髪碧眼の一族でした。
 彼らは他の一族が持たない様々な魔術や技術を駆使して、すでに島を支配していた別の一族や、恐ろしい風体と力を持った巨人の一族を打ち倒し、大地を支配しました。

 ここで少し、ダーナ神族に倒された巨人族について触れたいと思います。
 彼らは「フォモール族」と呼ばれる蛮族で、古来より海で略奪などを繰り返し、アイルランドに上陸してからは敵対した一族に病気を蔓延させて滅ぼしたり、奴隷にしたりする一族でした。
 彼らはダーナ神族からアイルランドより駆逐され、その後生き延びた者は妖精となったと言われています。
 本作ではその生き残りが敵として登場します。

ゲームに登場するフォモール

 フォモールはその強力な攻撃力を武器に、プレイヤーに襲い掛かるのですが、その背景には過去の復讐を果たさんとする気持ちが込められているのかもしれません。

ダーナ神族の衰退

 年月は流れダーナ神族は島の支配者(=神)として栄華を極めていましたが、そこへミレー族と呼ばれる人間の一族が6番目の種族として上陸してきました。
 ダーナ神族はミレー族と戦い繰り広げましたが、ミレー族の前に敗れてしまいました。
 ミレー族は勝ち取った島を、一族の手助けをした女神の名からエリン島と名づけ、以後ミレー族はエリン島に広がり、彼らはアイルランド人の始祖となったと語られています。

 このように書けば、ミレー族が一気にダーナ族を攻め込んだように見えますが、実のところは冒険のため(この時点で侵略する気はまだない)に島に到着したミレー族の先遣隊をダーナ神族が、侵略者と勘違いして殺してしまったことがダーナ神族衰退の発端です。
 このことを知ったミレー族は怒りに燃え、ダーナ神族に対して敵討ちを決行するため、大軍勢を率いてダーナ神族に攻撃を開始しました。
 このダーナ神族のうっかりがなければ、本作は別の物語になっていたかもしれません。

ダーナ神族と常若の楽園

 戦いに敗れたダーナ神族は、海の底とも地の底とも呼ばれる光と闇の世界の狭間へと逃げ、海神であり妖精王でもあったマナナンから妖精となることを勧められました。
 ダーナ神族はその勧めを受け入れ、妖精『ダーナ・オシー』に姿を変え、マナナンから「永遠に若さを保つことのできる酒」「いくら殺して食べても次の日には生き返る豚」「いかなる時でもミレー族の目から逃れられる魔術」を与えられました。
 そして、ダーナ・オシーは、逃げ込んだ地の底で常若の楽園『ティル・ナ・ノーグ』を作り、人々のいる世界から姿を消しました。

 『ティル・ナ・ノーグ』は人間の目に触れることはない、海の底とも地の底ともいえる場所に建てられたのですが、人間の中で選ばれた英雄は、時として常若の国に招かれることがありました。
 英雄たちは人間の世界での殺伐とした日々から離れ、常若の世界の住人となり、戦いで疲弊した体や心を癒します。
 彼ら英雄は人間の世界に終末が近づくと、常若の国から舞い戻り、世界を救うと言われています。

 本作で出会う多くのキャラクターは、もしかすると誰もが知っている英雄の、別の姿かもしれません。

 以上、ケルト神話のススメ第1回は、ティル・ナ・ノーグの成り立ちと、そこに住むダーナ・オシーとの関係をお送りしました。
 「ティル・ナ・ノーグ〜悠久の仁〜」は、これから幾千、幾万の年月が経過した世界がその舞台となっております。
 この先のティル・ナ・ノーグの世界の行く末を決めるのはプレイヤーの皆さんです。

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