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続・テポドンへの先制攻撃(2006.7.21)

 先週、弊社なりの仮説に基づき、北朝鮮に先制攻撃を仕掛けた場合の具体的な戦術を紹介したが、ほぼ同時期に発売された週刊誌「週刊新潮」7月20日号において、軍事ジャーナリスト・世良光弘氏による記事が掲載された。誰が考えても似たようになるということだとは思うが、ほとんど同様の展開を想定していた。やはり、支援戦闘機F-2と戦闘機F-15Jの航続距離が短いために、空中給油機が必須になる。ところが現状では1機しか自衛隊は保有していないために、小泉首相は米軍の空中給油機を借りるという非常手段を取ることにした。

 なんとかテポドンへの攻撃を成功させて、自衛隊機が帰還に向かったところ、なんと直前になって米軍の空中給油機を使うことが国会で問題になって、給油機が使えなくなってしまった。燃料が尽きたため、やむなく自衛隊機の搭乗員はパラシュートで脱出し自機を破棄することになってしまったのである。

 ここの展開は、かなり無理がある。いくら国会で問題になったとはいえ、すでに出動し攻撃を完了した後なので、とりあえず無事に帰還させた後に、首相の責任を追及すればよいことであって、高価な戦闘機をみすみす捨ててしまうだけに留まらず、いちおう記事の中では脱出した搭乗員のうち7名が行方不明になっており、人命を危険にさらすような判断を日本の国会が下すとは考えにくい。

 まあ、いずれにしてもフィクションなので、どうでもいいことではあるが、最後は米軍が出動することになって、一件落着というのが世良光弘氏の記事の結末である。

 このコラムでは、インパクトを重視して「テポドン」を前面に出したわけではあるが、軍事的に見て実際のところの驚異は開発途中のテポドンよりも、すでに100基以上あるとされるノドンのほうである。ノドンの射程は1,300キロ以上とされ、日本列島のほとんどが射程内となる。仮に予定されている、イージス艦へのSM-3や、パトリオットのPAC-3の配備が完了したとしても、同時に数十発を発射されれば、全てを迎撃するのは不可能である。そして弾頭に核や生物科学兵器が使用され1発でも落ちれば、多少、目標地点からそれたとしても甚大な人的被害が発生する。

 もちろん、いくら北朝鮮といえども、そう安易に発射することは考えにくいが、外交カードとしてちらつかせることは大いにありうる。それを牽制する意味でも、やはり先手で万全の防衛体制を整えることは、軍事的にも政治的にも急務である。

 今日の日本人が、平和ボケしているということは自他ともに認めるところである。戦争か平和かということに留まらずに、広い意味では日常の生活の中にも一種の平和ボケの弊害が、最近よく発生しているように思う。例えば、秋田の連続児童殺害事件については、親が子を殺すことはありえない、という先入観があったために結果として犠牲者を増やしてしまったと考えることができる。パロマ湯沸かし器死亡事故についても、安全装置を不正改造されるなどということはありえない、という先入観があったからこそ今まで発覚していなかったのである。シンドラー社のエレベーター事故も似たようなものである。

 翻って、「ミサイルを1発くらいは発射するかもしれないが、よもや7発も発射するとは!」というのが今回の北朝鮮のミサイル発射について誰もが抱いた正直な心情なのではないだろうか? つまり全てが後手に回ってきているのが、今日の日本の現状なのである。何か起こってからでは遅いのである。今後、あらゆる方面において、先手先手の対策が望まれる。

≪本日のHEADLINE≫

Biglobe「SOFTPLAZA」ダウンロード販売「新・銀河」が追加されました。

「大戦略センチュリオン」EXTRAに、「センチュリオンへの道 〜第六歩〜」を追加しました。

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「大戦略 大東亜興亡史2〜トラ・トラ・トラ ワレ奇襲ニ成功セリ〜」「ダウンロード」にて、デモムービーを公開しました。

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テポドンへの先制攻撃(2006.7.13)

 ここに来て、日本政府が主導していた北朝鮮への国連安保理決議案の先行きに、手詰まり感が出てきたようである。当初は、いままでの日本とは別もののように、なりふり構わずに各国に決議案を働きかけ、日本の危機感を全面に出したことで、各国の共感を得られたようであるが、やはり中国の老獪さは、一枚もニ枚も上手のようである。

 予想はしていたが、5日のミサイル発射直後から、弊社の現代戦シミュレーションゲーム「現代大戦略2005〜護国の盾・イージス艦隊〜」は、またしても売上が上向きに転じた。弊社にとってビジネス的には嬉しい現象ではあるが、それだけ人々の関心が高いということでもあると思う。いちおう仕事柄、軍事的なデータは豊富に持ち合わせているので、弊社なりの解説を行なってみたい。

 まず、「自衛隊の最新装備」で説明にしたように、日本の軍事力は世界的に見ても遜色がないレベルであることは確かである。しかし、ひじょうに高性能な防衛用兵器であるはずの日本のイージス艦は、現時点では弾道ミサイルを迎撃するための武器は装備していないのである。たまたま同時期に行なわれていた米軍との合同軍事演習において、米軍のイージス巡洋艦「シャイロー」から発射したSM-3ミサイル(射程約500キロ)が、弾道ミサイルを迎撃する実験に成功した、という段階なのである。

 でも日本には、短距離迎撃用のパトリオット(自衛隊では「ペトリオット」と表記)が装備されているのでは? と思われる方がいるかもしれないが、それはPAC-2と呼ばれるタイプであり、湾岸戦争でも使用されたのであるが、そのときのミサイル迎撃性能が予想以上に悪く、実質的にはミサイル防衛には使えないとされている。次世代タイプのPAC-3でなければ効果が期待できないのであるが、それが自衛隊に配備されるのは、まさにこれからであり配備を完了するのは2010年度というのんびりした計画なのである。

 では、ということで発射される前に先にミサイル基地を先制攻撃することを検討してもいいのではないか、という話が防衛庁長官や外務大臣の口から出る事態になっている。現実的には、かなりハードルが高いと思うが、仮にということで本当にそうしようとしたときのことを考えてみると、いかんせん自衛隊は専守防衛に徹することが大原則であるため、他国から侵略を阻止する能力は備えていても、他国を攻撃するとなると話は別である。

 あえて現状の装備でやろうとすると、日本海を越えていかなければならないので、艦船もしくは航空機を使うことになる。日本には空母がないし、奇襲でないと効果が薄いと思われるので、やはり航空機を使うことになるであろう。その場合、対地上攻撃用の支援戦闘機(一般的には攻撃機)F-2に爆弾を装備し、それを戦闘機F-15が護衛しながら攻撃するという形が想定される。

 北朝鮮にいちばん近い航空自衛隊の基地は、石川県の小松基地になるが、それでも片道約850キロくらいの距離がある。F-2の航続距離からすると、どう転んでも単独で北朝鮮までを往復するのは不可能のようである。そうなると途中で空中給油を受けながらということになるが、実は自衛隊には空中給油機は存在しないのである。本年度に1機が配備され来年度に4機が配備される計画であるが、それとても、よく考えると本来は防衛には必要がないはずの兵器なので、配備されるだけでも周辺国から見ると脅威になると思われる。

 航続距離がF-2よりも長いF-15イーグルを、攻撃機タイプのストライクイーグルに近い形に改造して使用するという方法も考えられるが、短期間にできるとは思えない。

 実は、もう一つ秘策がある。国産のロケットH-2Aを弾道ミサイルとして使用する方法がある。これも改造が必要ではあるが、人口衛星を軌道に乗せる精度があるのであるから弾道ミサイルとしての転用は可能である、と周辺国からも見られているのである。もっとも、この場合には弾頭をどうするのか、という問題があるし、またミサイル基地をピンポイントで攻撃というわけにはいかなくなるので、周辺の人民に多大な危害を与える危険性もある。

 というような感じで、やはり口で言うほどには先制攻撃は簡単ではないというのが、弊社の結論である。ちなみに、「現代大戦略2003〜テロ国家を制圧せよ〜」には、この改造型H-2Aが兵器として登場する。

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WBCが本当に残したもの(2006.7.7)

 昨日まで東京に出張していた。東京では、地上波で福岡ソフトバンクホークスの野球中継が放送されることはほとんどないので、携帯電話に試合速報メールが届くサービスを利用して、試合の展開を気にかけている。一昨日5日の西武戦は延長戦となり、結局12回引き分けに終わった。いつもであれば夕食の後に、もう一杯引っ掛けてホテルに帰るところであるが、試合が延長になったというもあったし、なにかいつもと違う雰囲気を感じたので、早めにホテルに帰った。

 便利な世の中になったもので、最近では携帯電話でストリーミング配信の映像を見ることができる。同点のまま迎えた最終12回は、驚異的な粘りを見せて2アウト満塁となった。しかし最後のバッターは三振に倒れゲームセット。プロ野球の場合には、引き分けは勝ちに等しいくらいの感覚で、選手もサバサバしているのが普通であるが、なぜかこのときホークスの選手は一様に、がっくりと肩を落としているように見えた。特に、元選手会長の4番・松中は、涙を流さんばかりの悲痛な表情をしているように、不鮮明な映像ながらも、そのように見うけられた。

 いまさら説明の必要はないが、王監督の病状を、主要選手は知らされていたようなのである。なんとしてでも勝って、王監督を送り出したかったわけである。本当のところは、軽い病状ではないように思われるが、強靭な体力と精神力、そして強運の持ち主の王監督であるから、必ずやまた元気に戻って来られると信じている。

 「Number」というスポーツ雑誌がある。その650号はWBCの特集号であった。うっかり買いそびれていて、発売後1週間ほどして買おうとしたが、どの店にも残っていない。あわててネット通販などでも探したが、どこも売り切れ。意地になって福岡市内の書店をしらみつぶしに回ったが、やはりない。あきらめかけていたところが、燈台もと暗し、近所の小さい書店に残っていた(苦笑)。他のスポーツ雑誌もそうであるが、この「Number」は特に写真の構図が秀逸である。お見せできないのが残念であるが、優勝決定の瞬間にベンチから飛び出す選手達の後ろ姿をとらえた写真が掲載されている。後ろ姿であるにもかかわらず、まるで表情が写っているかのような、生き生きとした写真である。トリノオリンピックの荒川静香の写真も、リンクの外側まで広角カメラでとらえた、ひじょうに新鮮な構図が脳裏に焼き付いている。

 さて、その「Number」650号のイチローへのインタビュー記事であるが、さすがに文藝春秋社の雑誌だけあって文章内容も素晴らしい。ご記憶の方もいると思うが、イチローが日の丸を手にしてマウンド近くで王監督に近寄った瞬間に、一陣の風が吹いた。すると一瞬、日の丸がふわっと二人を包み込んだのである。それだけでも幻想的なシーンであったが、そのときに王監督がイチローに向かって「ありがとう、きみのおかげだ」と語ったというのである。そしてその一言でイチローはすべてが報われたと感じたそうである。

 その後、シーズンが始まりイチローはしばらく不振が続いたものの、気付くと3割5分を超える打率を誇っている。今年になってイチローは変わったと言われていた。そして、それがWBCの優勝で本物になったのである。平たく言えば、人間として成長したということであろう。そして、そのイチローの姿を日本の川崎や西岡らが見習って、野球魂を引き継いでいくであろう。

 王監督が、アメリカVSメキシコの試合の最中に、中華料理店で食事をしていたという話は有名であるが、そのときにゲンをかつぎ「アメリカを飲む」ということで、バドワイザーを27本、つまり9回27アウト分を仲間といっしょに飲み干したそうである。世界の王でも、TVを見ることができず、そうすることが精一杯だったそうである。やはり、それだけの重圧がかかっていたのである。胃に穴が開くとは、まさにこういう状況のことであろう。そして、それが現実になろうとは、誰も想像だにしなかったはずである。

 その中華料理店を出る際に、王監督はくじを引いたそうである。“Yourperspective will shift”(未来は明るい)と書かれていた。

≪本日のHEADLINE≫

「戦略プロ野球2006〜響け歓声、届け感動〜」対戦者を募る「伝言板」を設置しました。
「サービス」にて、データ配信サービスを開始しました。

「大戦略VIII」「Special」のコーナーに、第2回「大戦略VIII戦略指南書」を追加しました。

「大戦略 大東亜興亡史2〜トラ・トラ・トラ ワレ奇襲ニ成功セリ〜」「兵器紹介」に、兵器解説を追加しました。

「大戦略センチュリオン」EXTRAに、「センチュリオンへの道 〜第四歩〜」を追加しました。

≪昨日のHEADLINE≫

「戦略プロ野球2006〜響け歓声、届け感動〜」本日発売!

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