★本コラムへのご意見・ご感想などありましたら、、までお寄せください。

今年を振り返って(2005.12.26)

 年末ということで、今年発売した新製品を振り返ってみたい。発売順に並べると以下の通りである。

1月 大戦略 大東亜興亡史〜ニイタカヤマノボレ一二〇八〜
3月 大戦略パーフェクト2.0 DX
4月 パイロットアカデミー〜下地島訓練飛行場〜
5月 戦略プロ野球2005〜改革元年〜
5月 ティル・ナ・ノーグV 〜悠久の仁〜
10月 沈黙の艦隊2
11月 現代大戦略2005〜護国の盾・イージス艦隊〜
12月 インペリアルフォース2 cosmic interceptor

 それぞれに思い入れがあるが、まずは「大東亜興亡史」である。大戦略パーフェクトのゲームシステムをベースにしてはいるものの、兵器データのほうはゼロからの出発であった。データの収集作業は人海戦術のようなもので、それを整理してバランス調整する作業は、さらに過酷であった。本格的な二次大戦ものの大戦略としては初めての作品であるため、どういう評価になるのか少し心配していたが、おかげさまでたくさんのご支持をいただくことができた。まだ荒削りな仕上がりであることは否めないので、今後、さらに洗練されたシリーズにしていきたいと思っている。

 「戦略プロ野球2005」は、新球団・楽天や交流戦など話題の多いシーズンということで、ゲームとしても改革元年として意気込みを表現した。ゲームでのシミュレーション結果では、戦力的に地元球団の福岡ソフトバンクホークスの圧勝ということになっていたが、伏兵(?)と言うか、ロッテの勢いには驚いた。やはり現実は、数値データだけでは推し量れない精神的要素も大きいということを思い知らされたシーズンであった。今後、ゲームの要素として、採り入れていきたい。

 ところで、この戦略プロ野球シリーズであるが、当初のコンセプトは「シーズンオフにプロ野球を楽しむ」というものであった。なぜシーズンオフなのか? という議論が社内にもあったが、意外にも実際に一年を通してコンスタントに売れる製品なのである。初代の広告「真冬の、メークドラマ。」は、かの広告代理店・電通が行っている「広告電通賞」を受賞した名作である。

 シリーズの集大成として開発した「ティル・ナ・ノーグV」は、正直なところ掲示板が盛り上がりに欠けていた。スタッフ一同、いろいろと検討を重ねた結果、お客様からの要望が高い機能を「強化パック」として追加することにした。無償のダウンロードサービスで、登録ユーザーの方であれば、どなたでもダウンロードできる。ぜひ、お早めにダウンロードしていただきたい。そもそも「ティル・ナ・ノーグ」は、アイルランドのケルト神話を世界観にしたRPGである。アイルランドといえば、女性歌手のエンヤが有名であるが、その彼女がデビューしたとき、ちょうど初代の「ティル・ナ・ノーグ」(1987年12月発売)の開発の真っ最中であった。たまたまエンヤのファンになったプログラマーがいたということではあったが、製品のイメージにもつながるということで、室見川河畔の開発室には、いつもエンヤの曲が流れていたのが懐かしく思い出される。

 「沈黙の艦隊2」は、原作ものではあるが、潜水艦シミュレーションとしても十分に楽しめるゲームである。少なくとも日本では潜水艦シミュレーションそのものが、あまり発売されていないため、潜水艦好きの方から、たいへんご好評をいただいている。また、潜水艦に詳しくない方のために、製品情報ページの「ゲーム解説」コーナーにおいて実際の潜水艦の操作に関する説明を連載中である。

 「現代大戦略2005」と「インペリアルフォース2」は、最近、このコラムで取り上げたので省略させていただくが、いずれも店頭での品薄状態が続いていることについて、この場を借りてお詫びしたい。嬉しい悲鳴ではあるのだが、最近のパソコンゲームは販売店様が在庫を多く持たない傾向にあるため、人気の製品では在庫切れでご迷惑をおかけすることになってしまうという悩ましい状況である。年末・年始の休暇中にプレイを予定されている方は、お早めにお買い求めいただければ幸いである。

真冬のメークドラマ 『戦略プロ野球2005』

≪本日のHEADLINE≫

「インペリアルフォース2 cosmic interceptor」Ver1.01アップデータを公開しました。

「ティル・ナ・ノーグIV〜紡がれし勇士達〜DX」「ティル・ナ・ノーグIVパワーアップキット」Ver1.04bアップデータを公開しました。

「ティル・ナ・ノーグV〜悠久の仁〜」製品情報ページ、強化パックに登場する新キャラクターを、「仲間図鑑」・「敵図鑑」コーナーに追加しました。

^

伝統とこだわり(2005.12.19)

 少し沈静化した感のある「天皇継承問題」であるが、有識者会議の最終案に対して、個人的には賛同できない。やはり、議論が一部の人だけに委ねられ、必ずしも十分に検討された、という印象がないのは私だけではないように感じる。今、あわてて決める必要はないのであるから、もっと時間をかけるべきだと思う。

 いまどきの日本人、特に若い人ほど日本的なもの、つまり伝統的なことに対して無関心、もしくは、むしろ否定的な人が多いとは思うが、それは意識している範囲のことであって、無意識のうちに刷り込まれている日本人としてのアイデンティティーは、意外な面で大きな影響があるのではないだろうか。日本の皇室は、世界的に見ても、厳格に直系の子孫により継続している皇室としては最長の歴史があることは間違いない。少なくとも16代・仁徳天皇から1,700年間は続いているのである。一般の国民には縁のない皇室ではあるものの、日本人のどこかに共通の拠り所としての存在感があると思う。それはやはり1,700年という「伝統」に対する価値感が大きいのではないだろうか。人間は、どんな権力を持ったとしても、時間だけはどうすることもできないのである。

 つまり、世界にも例がない日本独自の伝統を、たった数名による議論だけで、あっさりと変更してしまってもいいのだろうか、ということなのである。男女平等の世の中なので、女系になってもいいのではないか、という安直な結論ありきではなくて、男系という「伝統」を継続する方法も同時に検討することがあっていいのではないだろうか。さすがに側室は非現実的であるが、旧皇族・竹田家の竹田恒泰氏が提案しているように、旧皇族の中から継承者を選ぶという余地もあっていいように思う。一度、決めてしまうと、もう取り返しがつかないことなのであるから。

 少し前のことになるが、平成13年1月6日の新府省体制の発足に伴い、大蔵省は財務省と改称された。省庁の統廃合が大きな目的だったので、統合された省庁の名称の変更は必然であったが、大蔵省は一部が分離されただけなので、実質的には単に名称が変更されたというだけであった。他の省庁の手前、とか、国民に対して意気込みを見せるため、とかいうような理由だったように記憶しているが、そのときに大蔵省の職員の意見として、「律令の時代からの伝統である『大蔵』の名称を変えてほしくない」というのがあった。つまり職員たちには、そういう気概のもとに仕事をしている人もいるということである。日本の律令制は、7世紀後期、つまり飛鳥時代に始まったのであるから、約1200年の歴史がある。でも、この伝統は途切れてしまった以上、もはや取り返せないのである。

 さて、弊社では前身のシステムソフトが1979年に創業して以来、一貫して「パソコンゲーム」を事業の主体としてきた。途中には、ゲーム機に進出するべきか否か、という大きな岐路も何度かあったが、結局、本格的に進出することはなかった。なぜそうしなかったのか? ということになると、いろいろな理由はあるものの、個人的には単に「こだわり」が強かっただけなのかもしれない。弊社よりも歴史が浅い会社は、次々とゲーム機のほうに流れて、いまや会社の規模としては比較にならないくらいの差がある。本音では忸怩たるものがあるが、その反面、「こだわり」にも自負がある。パソコンでしかできないことや、パソコンだから実現しやすいことが、やはり多々あるからである。

 先週、ようやく発売となった「インペリアルフォース2 cosmicinterceptor」であるが、この作品も「こだわり」を貫いたゲームである。おかげさまで、売切れ店続出という幸先の良いすべり出しであるが、正直なところ、派手な演出は少ない。しかし内容的には、ひじょうに要素の詰まったゲームである。見かけは地味でも中身で勝負、という弊社流の「こだわり」である。その一端は、体験版でも十分に感じていただけると思う。

 いまのところは、まだ「こだわり」のレベルであるが、いずれは「伝統」としての価値がアピールできるように「パソコンゲーム」を盛り上げていきたいと思っている。

≪本日のHEADLINE≫

「インペリアルフォース2 cosmic interceptor」の体験版を公開しました。

「現代大戦略2005〜護国の盾・イージス艦隊〜」ver1.01アップデータを公開しました。

「大戦略パーフェクト2.0DX」ver1.02gアップデータを公開しました。

^

ロシア人もびっくり!?南国九州(2005.12.12)

 九州と聞くと、ずっと南のほうで冬でも暖かいというように錯覚している人が多い。確かに、九州の南に位置する鹿児島県や宮崎県、瀬戸内海に面した大分県は、比較的、冬でも暖かいのは事実である。しかし、北側の福岡県となると、全く事情が異なる。地図を見ていただくと分かると思うが、福岡は東京と比較して緯度はほとんど変わらないうえに、福岡市は北を日本海(地元では「玄海灘」と呼ぶ)に面しているのである。これはどういうことかと言うと、冬になると寒い北風を、まともに受けるということなのである。東京はというと、逆に南の太平洋に面しているので、基本的な地理的条件が全く異なるのである。

 「湯布院のお勧め」で触れたように、私は大分県の出身である。正確には、ほとんどを大分市で過ごした。大分市は典型的な瀬戸内式気候の地域で、夏は涼しく冬は暖かいというひじょうに恵まれた土地柄である。高校を卒業して、大学で福岡市に住むようになったのであるが、最初の冬の寒さは身にこたえた。同じ九州とは思えないほどに、寒さのレベルが違うのである。正月に大分に帰省すると、暑いとすら感じるほどの格差があった。

 最近は東京から、お客様が冬にいらっしゃる際には、くれぐれも暖かい服装で来てください、と注告するようにしている。そうでないと、やはり南国九州という先入観があって、コートなしでいらっしゃる人もいるのである。そういう人は、寒さに驚いて、あわててコートを買いに走った、なんていうこともあった。

 「遥かなるロシア」でご紹介したように、かつて弊社はロシアとの交流があった。こちらからモスクワには何度か行ったが、一度だけ、ロシアの人が福岡に来たことがある。ちょうど今頃の12月の中旬であった。たまたま強い寒気が来ているということで、いつもより寒いのは事実であった。そのロシアの人が福岡に着くなり開口いちばん「寒い」と言ったのである。私はてっきり、軽いジョークと思った。暖かいことを予想していたのに、思ったより寒いという意味だろうと。

 仕事と会食を終え、ホテルに送り届けた。なんとなく元気がないのが気になっていたが、たぶん長旅の疲れだろうと思っていた。翌朝、ホテルに迎えに行くと、沈んだ顔をして「寒くて眠れなかった」と言うのである。こちらは「?」という感じであったが、よくよく聞いてみると、暖房が弱くて寒いというのである。そこで、はたと気付いたのであるが、例えば日本でも北海道などの寒冷地がそうであるように、冬は建物全体を強い暖房で暖めているので、むしろ他の地域よりも建物の中は暖かい。ロシアも同じである。ところが、そこそこに寒いていどの福岡だと、暖房の強さが違うのである。フロントに連絡して毛布を何枚か持ってきてもらったものの、やはり顔が寒くてダメだったそうである。

 日本人の場合には、顔が寒くても布団にくるまって寝るという習慣に慣れているのであるが、ロシア人の場合には部屋全体が暖かくないと眠れないようなのである。これも生活習慣の違いによるものであろう。ちょっとした笑い話ではあるが、とうのロシア人には、ひじょうに辛い経験だったようである。

^

大戦略のタブーとミサイル防衛(2005.12.7)

 「現代大戦略2005〜護国の盾・イージス艦隊〜」を発売して約3週間が経った。おかげさまで、従来のシリーズよりも出足が良いようである。アンケートによると、初めて弊社の製品を購入されたという方が目立つ。また、製品を知ったきっかけとして、某匿名掲示板のニュースコーナーで知った、という人が数名いた。今はスレッドは消えているが、一時期は盛り上がったとの噂である。ゲームコーナーでないところがミソで、つまり今まで「現代大戦略シリーズ」の存在を知らなかった人が興味を持って購入していただいたということである。おそらく、その方たちは「大戦略」は知っていても、現実をシミュレートしたシナリオ付きの大戦略があることをご存知なかったようである。

 じつは初代の大戦略が発売された1985年頃は、戦争シミュレーションゲームそのものがタブー視されていた時代であった。社内にも抵抗感のある人がいて、発売そのものが議論になったくらいである。そのため当初のマップは、無意識のうちに架空のものが多かった。そしてそれが暗黙の了解になって、2001年の「現代大戦略2001」の発売までは、大戦略=架空マップ、というのが基本であった。

 そういう時代であったから、2作目の「大戦略パワーアップセット」に原作者の藤本が洒落っ気を出して、不正コピー品の場合には核ミサイルが発射されて広範囲が破壊されてしまう、という隠し機能を入れていたことが発覚したときには、社内で大問題になった。お客様のほうからは、正規品であえてそれを見てみたい、という問い合わせが多く寄せられるという、皮肉な状況になってしまったのである。そして、湾岸戦争のときの騒動[「タイムリー(?)なシステムソフト」]が、保守的な姿勢に拍車をかけたのである。

 さらに、株式会社システムソフトとして1996年に株式を店頭公開してからは、ますますもって規制が厳しくなって、世間を騒がせるようなことは一切厳禁となってしまった。「大戦略」受難の時代である。その後、会社は大きく変化し、結果としてゲーム事業は株式会社システムソフトから離れることになった。そして2001年に現在のシステムソフト・アルファー株式会社となったのを機に、満を持して発売したのが「現代大戦略2001」だったのである。

 会社としては問題はなくなったものの、やはり2001年の当時としても、かなり衝撃的なゲームであったことは間違いない。今でこそ、中国や韓国との対立は、それが普通のように感じる人が多いと思うが、それは小泉政権が発足し靖国参拝が引き金になって加熱したのであって、その当時の中国や韓国と領土問題が起こるとは、ほとんどの人は予想だにしていなかったに違いない。そのため「現代大戦略2001」に対しては、荒唐無稽のシナリオ、なんて言う評価もあったくらいである。

 さて昨晩、テレビ朝日の「報道ステーション」において、「ミサイル防衛最前線」という特集が放映された。ありがたいことに、大戦略ファンクラブの掲示板にて知らせてくれた人がいて、私も見ることができた。それなりの内容ではあったが、最後の歯切れが悪い。1発数億〜数十億するミサイルに対して、それだけの費用がかかることについての議論がほとんどなかった。出演者の本音は、そんな費用をかける意味があるのか、と言いたいところなのであろうが、ことはそう簡単ではない。北朝鮮は、まともな話ができない国であることは、日本人ならば誰でも知っている。たとえ脅しの演習だとしても、日本の上空をミサイルが飛ぶ事態になれば、迎撃する体制を取らざるを得ないのは間違いない。

 戦後の反省が足りない、という中国や韓国への配慮も必要であるが、それにも増して、明らかな脅威に対しては有効な防衛手段を講じるのが独立国家としてとうぜんのことである。2001年からシミュレーションゲームという媒体を通して警鐘を鳴らしてきたことが、はからずも現実味を増してきているという状況は、なんとも複雑な心境である。

≪昨日のHEADLINE≫

「ティル・ナ・ノーグV〜悠久の仁〜」ver1.05アップデータを公開しました。

^
←システムソフト・アルファーTOPページへ